楼門には巨大なお多福面、清道には節分大祭の舞台が完成している櫛田神社にて、今年最初の博多祇園山笠の新年総会が行われました。いよいよ令和6年の山笠が始まります。
会場となる櫛田会館には、博多祇園山笠振興会、七流・全飾り山笠の役員全員、および関係者が集まり、令和6年最初の総会に臨みました。
今年一番山笠を務める大黒流の柴田潔孝総務が開会の言葉を述べた後、武田忠也振興会会長が新年の挨拶を行い「去年の山笠は不幸な事があったり怪我人がでたりしたので、今年はそのようなことがないようにお力添えをお願いしたい。今年はコロナ前のように博多の街を景気よく行きたい。」と語りました。
櫛田神社阿部憲之介宮司は「年初から大きな震災などがあり、人間の和のいかに大切かという事を学んだ気がする。去年の山笠は色々事故があったが、みんな協力し合っていけば克服できるし、安心安全な山笠ができるだろうと思っている。」と抱負を語りました。
議題に入り、令和6年の山笠番付が発表、確認されました。
今年の一番山笠は大黒流が務め、昨年の一番山笠を務めた土居流は七番山笠に入ります。
また飾り山笠も、上川端通以外は番付番号が一つずつ上がります。
本年度の山笠番付は以下の通りです。
番付の確認後、本年と昨年の一番山笠総務が挨拶を行いました。
昨年の一番山笠総務を務めた土居流の金子俊明さんは「4年ぶりの通常開催、世界水泳大会への特別展示を含め、山笠の元気な姿を発信する事が出来た。ヤマの男冥利に尽きる一年でした。」と関係者各位に感謝を述べ、本年度の一番山笠総務を務める柴田総務は「七月十五日、気持ちよく奉納できるように努力いたしますので、どうぞご協力お願いいたします。」と力強く抱負を語りました。
議題として、ガイドブックと記念手拭について確認が行われました。
山笠公式ガイドブックは、原材料費・人件費の高騰を受けて今年より880円に価格改定することに。山笠の記念手拭のデザインは、今年より一番山笠の人形師が手掛けることになります。
本年度の山笠の安全対策については、昨年11月25日に発表された「博多祇園山笠事故 再発防止の安全対策」が今一度読み上げられ、全流一致で再確認されました。
この安全対策の一環で、昨年清道入りで清道を出る際に縁石に台足を引っかけ山笠が大きく揺れた事を考慮し、本年度より縁石をスロープ状に改修する事も報告されましたが、本部役員側からは「前の足が落ちるような格好悪い山笠は舁かないでください。櫛田入りは奉納神事であります。きれいな山笠を奉納するように心がけてください」と厳重なお願いも合わせて行われました。
会は終盤に差し掛かり、年初に発生した能登半島地震について博多祇園山笠は何かできないかと協議。博多祇園山笠と共に平成28年のユネスコの無形文化遺産として登録された石川県の「青柏祭でか山」を支援するため、石川県七尾市に義援金を送ることが発表されました。
会の最後に、振興会前会長の豊田侃也顧問が、ユネスコ無形文化遺産登録の実現を含め国内の祭り文化に貢献した事から、昨年末に文化庁長官表彰を受けた事が報告されました。
また、博多祇園山笠も福岡市より2023年福岡市都市景観賞の特別賞として表彰された事が報告されました。通常は風景が受賞する事が多い賞だそうですが、今回は山笠が「福岡を代表する風景」として評価・表彰されたとのことです。武田会長は「実に光栄な事です」と喜びを語りました。
最後に、恒例の博多一本締めで今年最初の総会が締められました。目指すは7月15日の無事奉納。博多の山笠が動き出しました。