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九州国立博物館と福岡市博物館に山笠が登場しました

猛暑だったり、お盆に入ったり、台風が来たり・・・といろいろ騒がしい日本列島。博多祇園山笠が終わって一か月たちましたが、まだまだ山笠は終わっていません。大宰府市の九州国立博物館と福岡市の福岡市博物館の2大博物館に、博多の山笠が登場しました。

まずは8月11日(金・祝)より、大宰府市の九州国立博物館の1階エントランスロビーに、今年の山笠で飾られた九番山笠 天神一丁目の飾り山笠が一般公開となりました。

九州国立博物館での飾り山笠展示は2005年から続いており、表の標題は中村信喬人形師による「天下布武勲 (てんかふぶのいさおし)」、見送りは白水英章人形師による「長良川合戦」となっています。
山笠期間の飾り山笠と異なるのは、九州国立博物館に展示される際は山小屋がなくなる事。そのため、表・見送りだけでなく、横側にも飾りがついた「四面飾り」と姿を変えるので、飾りは同じなのに山笠期間と大きく雰囲気が変わるのが特徴です。

山小屋あった飾り山笠の横部分にも飾りつけが行われるので、館や波、岩こぶなどの飾りが横側に移動したり、人形の角度や位置が変わったりしているので、山笠期間の飾りと見比べてどこが変わったのかを見つけるのも一つの楽しみです。
特に、人形師によって「波」のデザインも異なりますので、橋を境界線に波が変わるなど、両人形師の飾り付けの「マッチアップ」を楽しむことができます。

そして、この3年間新型肺炎の感染拡大防止のため通行止めになっていた真横の階段が、今年より再び利用可能になりました。それによって、この階段の踊り場から飾り山の天辺部分を楽しむことができます。

ロビーには国内外からやってくる観光客がひっきりなしに到着する様子が。この巨大な飾りをみて驚き、しばらく見上げてみたり、写真を撮ったりする姿が見られました。

この飾り山笠は来年2024年の5月ごろまで展示される予定となっています。

そして、福岡市早良区の福岡市博物館では、先日閉幕した世界水泳選手権福岡大会の会場(マリンメッセ)に飾られていた特製の巨大舁き山笠が本日8月12日(土)より博物館のエントランスに移設され、一般展示が始まりました。

この飾りの標題は世界の安寧を願って山笠の祖である聖一国師をモデルとした「願四海波静(ねがわくばしかいなみしずかなれ)」。中村弘峰人形師が手掛けており、高さ3メートル80センチの人形が力強く立って祈祷水を撒いている姿となっています。

二引の旗には、2019年の「G20福岡 財務大臣・中央銀行総裁会議」でシーホークで飾られた中洲流の舁き山笠に使われた鉄板性のなびく二引が久々に登場。風がないエントランスホールで気持ちよく”エアな風”を受けてそよいでいました。

この舁き山笠展示だけでなく、現在福岡市博物館では、今年の山笠企画展「博多祇園山笠展2023」も開催中。山笠期間中によく見かける幔幕(まんまく)にスポットライトを当てた今年の展示が行われております。こちらの会期は8月15日まで。あと残り3日だけとなりますので、お盆休み中にぜひご覧ください。

そして、博物館内にあるはかた伝統工芸館では、会期は明日8月13日までなのですが、博多人形師の同志が行っている博多人形で作った妖怪を集めた『~夏は博多人形でひんやり~第九界博多人形妖怪展』が開催中です。

8月22日(火)からは博多人形師の登竜門「博多人形与一賞」で受賞した作品を展示・紹介する「博多人形与一賞展」が始まります。

現在福岡市博物館では、「鈴木敏夫とジブリ展」も開催されており長蛇の列ができていました。一日中いても飽きない展示物がたくさんある福岡市博物館となっていますので、ぜひお盆休みを利用して福岡市博物館にも足をお運びください。