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博多小に生徒手作りの”子供山笠”が飾られています

2年連続の舁き山行事が延期となった2021年の博多祇園山笠。コロナ禍の影響を受けたのは大人の舁き山行事だけではありません。毎年恒例の子供が山舁きを行う「子供山笠」も中止となり、子供達も楽しみにしていた山舁きが出来ないまま2年が経つことになります。

しかし、今年福岡市立博多小学校では、子供達が作った子供山笠の飾りが山笠台に乗せられ、学校の通用廊下に展示されました(※一般公開は行っていません)。山舁きは行いませんが、子供山笠も来年への一歩を踏み出しています。

博多小では「総合的学習の時間」の活動の一つとして子供山笠を行っており、生徒たちは人形制作や山笠の準備を、山笠関係者や地域の人達の協力と先生方の指導のもとで行っていますが、昨年は子供山笠の行事は全て中止。代わりに、運動会ではベニヤ板に絵を描いてリアカーに乗せてグラウンドを回り、山舁きの代わりにお披露目しました。
全員「来年こそ」と意気込んだものの、今年もコロナ禍が収まらぬ中、集まって人形の製作を行ったり準備する事も困難なため、残念ながら今年も中止となってしまいました。

しかし、今年は子供達がベニヤ板に飾りを描いた飾りを、地域の人が組んでくれた山笠台に乗せる事ができました。
子供達だけで作った山笠飾りが山笠台の上に飾られるという快挙です。

見送りの飾りは、昨年の運動会でリヤカーにひかれてお披露目された絵が乗せられました。絵は疫病退散を願う妖怪「アマビエ」で、鱗の部分は、去年卒業した子供たちが願いを込めて書いたメッセージが貼られています。

「友達と一緒に映画に行きたい」
「友達とカラオケに行きたい」
「マスクなしで遊びたい」
「夏祭りをしたい」
「プールで泳ぎたい」
「友達と近くでしゃべりたい」
「はやく山笠をかきたい」

子供たちのメッセージがとても胸に響きます。

「山笠ができない代わりにリヤカーで運んだこの飾りを今年は何としても山笠台に乗せてあげたかった。今年は去年のみんなの気持ちも一緒に山笠に乗せてあげる事が出来てよかったです」と担当の先生は、見送りの飾りを見ながらそう話してくれました。

山笠の見送り側は山笠を押し進める「後押しする力」です。今年の子供山笠は、去年山笠が出来なかった皆の気持ちが子供山笠を後押しするような素晴らしい飾りとなりました。

戦後間もない1946年5月、博多復興祭にて子供山笠から博多祇園山笠は復興が始まりました。置鮎琢磨人形師が描いた絵を飾り、子供たちが山舁きを元気に行う事で、博多と山笠の復興が始まりました。(※その時の写真は2013年11月6日福岡市博物館『山笠の力ハカタウツシ』展のレポートにて紹介しています。合わせてご覧ください)
同じようにベニヤ板で描かれた子供山笠を見て、ふと戦後から立ち上がる力となった子供山笠の話を思い出しました。

来年こそ、勢水が飛び交う中、元気な山舁きを行う子供たちの姿を見たいと切に願います。

令和3年度 博多祇園山笠ムービーが配信中

福岡市による全11分の大作です。
また、福岡市では「博多どんたく」や「博多祇園山笠」など福岡を代表し伝統のある祭りの運営サポート、歴史や文化の普及・振興に活用する「ふくおか応援寄付」の受付も行っています(ふくおか応援寄付への寄附は税制上の優遇措置が受けられます)。詳しくは「ふくおか応援寄付」のページをご覧ください。

昭和11年の博多祇園山笠が写ったムービー

Youtubeに田中諭吉没後50年・生誕120年のアカウントがアップロードした「昭和10年前後の博多の祭・九州旅行(撮影 伊藤武夫)」という昭和11年前後の博多の風景を映した映像が公開されています。ほんの少しですが、11分20秒あたりから博多松囃子の様子と博多祇園山笠の様子を見る事が出来ます。