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『祭りアイランド九州』がスタート! 博多祇園山笠と博多松囃子が登場しました

九州・沖縄・山口の祭りが一同に熊本市に一堂に集結する祭りイベント「祭りアイランド九州」が本日9月28日(土)より、熊本城を臨む熊本市中央区にて始まりました。

博多からは、ユネスコ無形文化登録遺産である博多祇園山笠と、国の選択無形民俗文化財に選択されている博多松囃子が参加。博多祇園山笠は2015年に静岡県で行われた「静岡まつり」以来の県外遠征となり、博多松囃子は史上初めて博多を出て、復興の表敬を各所で行います。

本日9月28日(土)は博多祇園山笠は飾り付けと御神入れが行われ、博多松囃子は下通 新天街・二番街を皮切りにシンボルプロムナード、熊本城などを表敬して回りました。

午前7時半前、熊本市のアーケード・サンロード新市街に、今回の祭りのために作られた山笠飾りを積んだトラックが到着。山笠台の到着を待ちます。

博多祇園山笠が展示される場所の左右では、本日メイン会場に参加する戸畑祇園大山笠と八代妙見祭が準備を進めていました。

午前8時過ぎ、現場に山笠台と山大工、人形師らが到着。山笠台は昨日27日に棒締めが行われており、棒締めされた状態での到着です。

山笠台が到着すると、さっそく作業が開始。山大工がビニールシートを取り外します。

そしてクレーンを使って、慎重に山笠台を下ろします。棒鼻を見てみると傷がつかぬようビニールが付けられ、鼻縄も邪魔にならぬよう棒に括り付けられています。

地面に下ろされた山笠台は、担がれて展示予定の箇所へ。足の銅金に合わせて板がはめられます。山笠の足などには今回のイベント参加に合わせて新たに筆耕がされています。

山笠台の設置が終わると、次は人形飾りです。トラックの側面が開けられ、中から今回のイベント用に作られた人形が姿を現しました。早速次々とトラックから降ろされ、飾りつけの準備に入ります。

今回の舁き山の人形制作を担当した川﨑人形師は、自ら脚立に上って飾りの指示や飾りつけを行っていきます。細かいパーツを取り付けるだけでなく、人形のひげや眉毛を撫でつけてきれいにするなど、細かいところも丁寧に飾り付けていきます。

山大工も川﨑人形師の指示に合わせて、一つ一つ飾りを取り付けていきます。

その傍らでは、山笠には欠かせない提灯の準備が行われていました。役職が書かれた提灯と各流の名前が書かれた提灯が並べられます。七流の提灯が横に並ぶ事は大変珍しく貴重なショットとなりました。

いよいよ飾りつけも佳境。槍の穂先が角度を確認されながら取り付けられていきます。

飾り付けが行われる中、時間は午前10時。「祭りアイランド九州」のイベント開始の時間です。八代妙見祭がメイン会場となるシンボルプロムナードへ移動していきました。

この時間になると、御神入れ神事に参加する人たちも現場に到着。舁き山飾りの出来上がり具合を見て喜びあいます。午前10時になると、アーケードのお店もオープンし始め、人通りが多くなり、通行する人たちが足を止めて大きな人形にびっくりして写真撮影する人も多くなってきました。

飾り付けが終わった人形飾りを、いよいよ山笠台の上へ。全員で持ち上げ山笠台に据え付けます。川﨑人形師は、一歩引いた場所で人形の出来具合や飾りつけ具合を確認していました。

飾りが据え付けられた山笠台に、台幕や旗などが取り付けられ、ついに舁き山が完成しました。

山笠が完成すると、すぐに御神入れの準備が始まります。到着している櫛田神社の神職が、祭壇の準備を行います。山舁きされる山笠には必ず神が込められる。どの場所に行っても博多祇園山笠は「神事」なのです。

午前11時、御神入れが始まりました。

御神入れの参加者が祓い清められ、祝詞が上げられた後、櫛田神社の神職が舁き山の表と見送りを祓い清め、神を舁き山に込めます。

最後に玉串が捧げられ、無事舁き山の御神入れ神事が終了しました。

今回のイベントで新たに作られた個の舁き山の標題は、熊本を代表する名武将・加藤清正をテーマにした「肥後強者不屈知(ひごのつわものくっするをしらず)」。清正公に熊本復興の願いを込めて、明日29日(日)この舁き山が熊本の町を走ります。

御神入れ神事の時から見物客が多かったのですが、神事が終わるとさらに見物客が増え、その勇壮な姿を写真に収める人がひっきりなしに訪れていました。

13時からはサブ会場にて博多松囃子が出演。まずは稚児舞が披露され、800年以上も続く古式ゆかしい子供達によるお囃子と舞姫の舞を、たくさんの見物客が見守りました。

続いて、三福神による表敬訪問が行われ、アーケード内に「祝ぅたー!」の合唱と博多手一本の音が響き渡りました。

松囃子はメイン会場に出演するため、先ほど御神入れが行われた博多祇園山笠の舁き山の横を通って、メイン会場へ。博多では決して見ることのできない、山笠と松囃子の競演がこの熊本で見ることができました。こういったイベントならではのお宝シ-ンといえます。

メイン会場に出演した博多松林の一行は、そのまま熊本城などに表敬訪問を行いました。この日、2016年4月の熊本地震で被災して修復工事が行われていた熊本城の大天守の外観工事が終わったというニュースもあり、実に喜ばしい表敬訪問となりました。

イベントのメイン会場の横では、ラグビーワールドカップのファンゾーンが設営されており、本日は日本vsアイルランドの一戦がライブビューイングが行われていました。会場はもちろん超満員。しかも世界ランク2位のアイルランドに対し日本がリードする展開により、ファンゾーンに集まる人で超満員に。日本が果敢に攻め込むたびに、会場全体から大きな声援と歓声があがり、祭りイベントの熱気を飲み込むような盛り上がりを見せていました。結果、日本がアイルランドに勝利。勝利の瞬間、ものすごい歓声が上がりました。

「祭りアイランド九州」は夜まで行われ、ライトアップされた熊本城を臨みながら、最後は戸畑祇園大山笠、日田祇園祭、おおむた大蛇まつり、山鹿灯籠まつりが一堂に介し、一日目のフィナーレを迎えました。

明日9月29日(日)は「祭りアイランド九州」2日目。博多祇園山笠は12時30分より、メイン会場となるシンボルプロムナードを駆け抜ける予定です。天気も雨予報が続いており心配されていましたが、最新情報(28日23時時点)では曇り予報となっており、山笠関係者も見物予定の方も少しほっとているのではないでしょうか。