大黒天は、七福神の一種であり、インド神話にルーツを持つ神様で、元は荒々しい破壊神の姿をしていたが、中国を経て日本に伝わる中で現在の穏やかな姿になった。また、大黒の「だいこく」が大国に通じるため、古くから神道の神である大国主命と習合し、肌の色も弁柄色から白色となり、五穀豊穣の神として信仰される。室町時代、高いが経済の中心となった際に、商売の神としても信仰されるようになり、現在の福々しい姿となった。左肩に背負う袋は財宝、右手に持つ打ち出の小槌は湧き出る富、足で押さえた米体は豊作を意味している。また、大黒天は台所の神様でもあるため鼠と縁が深く、鼠が大天の使いとされている。
真骨頂(simple is best)とは、「真実の姿」を意味し、大黒天の柔和な笑顔は、楽しいことも苦しいことも経て、ひとつのことを極めた先に到達した心の中からの満足感を表した本当のお姿である。
大黒流のひとりひとりが山を舁き、最後まで走り抜け、真骨頂を発揮する。
[人形師:西山陽一]