天から舞い降りてきた大黒様は民に宝を振りまいている。民にとって宝はまさしく財宝である。大黒様から見れば、この宝は欲の塊であり、我欲を捨てたところ に無限の豊かさを得ることができるができる。つまり、「どれだけ多くのもの持っているか」ではなく、「どれだけ多くのものを必要とせずにいられるか」を体 現している。欲を少し離れ、相手を思いやり、自分の財や幸せを分けることで、我欲が薄れて相手を理解できるようになる。豊臣秀吉は大黒天を守護神とし、地 元ゆかりの人々と協力して荒廃した博多を太閤町割で復興させたが、大黒様の教えを忠実に実践したからであろう。
[人形師:宗田智幸]