10日の流舁きから半日後。まだ夜が明けきっていない博多の町に、再び「オイサ!」の声が響き渡ります。夜明けから流舁きを行う「朝山」行事の始まりです。七流が午前5時~6時にかけて、再び流舁きを行います。
午前4時頃から各流は再び集まり、流舁きの準備を行います。
午前5時、西流・土居流・大黒流・東流・恵比須流が朝山を開始。ドン!と太鼓が鳴らされ、まだ寝静まっている博多の町に「オイサ!」の声が響き渡ります。
総務にも秘密にしていた今年の一番山笠 土居流の見送りの黒田官兵衛が、山舁きの場所によっては「表」になって走ります。写真だけ見てもこの絵面が「見送り」側とは到底見えません。
これが見たかったんよ https://t.co/A2sNjQKti5
— 中村弘峰 (@hirominator) July 10, 2023
次第に日が昇っていき気持ちの良い朝焼けの中、各流は自分たちの流の区域をくまなく走って町を浄めて行きます。
土居通りと綱場町の道の交差点で、恵比須流と土居流の舁き山笠が同じフレームに入る状況に遭遇。恵比須流の視線の先には、大黒流の舁き山笠が走っており、同時間帯にこの交差点に三つの流が居合わせるという、まさかのシチューエーションとなりました。
東流は本日は祝儀山。子供を山笠に乗せて走るのが恒例ですが、子供の神様を祀る万四郎神社では子供だけの台上がりが行われ、ベテランの方々が子供を神社まで運びました。
午前7時半にすべての朝山行事が終了。
土居流では各町の代表が集まっての大きな直会が行われ、朝山の日に行われる「ねじ切り」と呼ばれる習わしが行われました。
「ねじ切り」は、直会に出された一本のちくわの両端をテーブルを挟んで対面している者同士が握って、それを捻じ切って酒の肴にするというもので、流の融和を図る伝統行事です。今年は誉の一番山。全員一致で無事に綺麗に奉納できるよう、しっかりとチクワを捩じ切って直会に臨みました。
10日の流舁きが終わったばかりで、明けて今日早朝に朝山笠が終わったばかりですが、午後からは「他流舁き」が各所で行われます。唯一一日二回の山舁きに備え、博多はしばしの静かな時間に入ります。