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「動」の山笠の開幕! 七流が今年最初の流舁きを行いました

記録的な雷雨に見舞われた深夜の九州北部。午前5時に大分県の北部と西部に線状降水帯が発生したため、気象庁は大雨特別警報を発表しました。博多の中心を流れる博多川、博多部の横を流れる御笠川も大幅に増水。一時、避難判断水位をこえて氾濫危険水位に近付いた事で周囲住民に緊張が走りましたが、干潮に向かう時間帯でもあったので水位が少し下がり、博多の人達はひとまず胸をホッとなでおろしました。

7月10日は流舁きの日ですが、本日より山笠が動く事から無事奉納を祈願するため、神に華とお茶を献上奉納する「献華(けんげ)献茶式」が櫛田神社拝殿にて行われました。

池坊流の華が生けられ、南坊流の茶が点てられると、櫛田神社の祭壇に捧げられ、参加者にはお茶がふるまわれます。

最後に浦安の舞が舞われ、追い山の無事遂行が祈願されました。

「献華献茶式」の後、午前11時より南恒例の「男野点(おとこののだて)」が開かれました。

例年だと悪天候の場合は拝殿で野点を行っておりましたが、今年は完成したばかりの櫛田会館の1階にある休憩所に椅子を置いて行われました。
野点は天正15年(1587年)九州征討の折に、吉の命により千利休が千代松原で初めて設営した方式で、 その昔、戦いに臨む武将たちが甲冑をつけたまま、荒ぶる心を静めるために茶を喫したことが今に続いている、博多にとっては歴史的な催し。流舁きを戦と見立てた「出陣」の前のように陣幕を張って行っています。

お手伝いをするのは、一番山笠の当番町の子供達。水法被姿で、参加者にお菓子とお茶を運びます。

各流れの総務は、流舁き前で高ぶる気持ちを静めるように、お茶をぐいと飲んでこの時間を楽しみました。

最後は博多手一本で締めて、野点は終了。さあ、いざ”出陣”です。

午後3時過ぎ。あの大雨は何だったのか?と思うぐらい、まるで台風一過のような晴れ渡った空が広がりました。太陽の下での令和5年度初の流舁きがいよいいよ始まります。

午後4時からは千代流と中洲流が舁き出します。千代流では舁き出し前に、山笠と道路にたっぷりと水が掛けられ準備が進められます。

山笠の命である舁き棒の先(棒鼻)に御神酒が注がれ、流舁きの安全を祈願します。

午後3時59分。1分前の時間が告げられると、台上がりした川口総務が祝いめでたを謡いあげ、千代流の舁き山笠が走り出しました。

同じ時刻に書き出した中洲流。中洲一丁目を舁き回った後、二丁目に入ります。

中洲流の10日の流舁きでは、子供を乗せて走る祝儀山を行い、この一年間に亡くなった山笠の功労者を悼む追善山も行います。祭壇が飾られた場所で山笠の表を向けて祝いめでたを謡いあげ、山笠が好きだった故人を思いながら山笠の流儀で悼みました。

午後5時になると、今年は明治通り沿いに山小屋を並べる土居流、大黒流、西流の三流が舁き出しました。

午後6時からは、東流と恵比須流が舁き出しました。

午後7時過ぎ、東流が山小屋に戻ってきて今年初の流舁きはすべて終了しました。いよいよ始まった「動」の山笠は、今日の流舁きを皮切りに連日山舁き行事を行い、フィナーレである15日の追い山笠に向けて走り出しました。