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恵比須流と大黒流が棒洗いを、中洲流が小屋入りを行いました

山笠準備期間に入って最初の週末。本日6月4日(日)は、舁き山笠を奉納する七つの恵比須流、大黒流、中洲流が行事を行い、7月に向けて始動しました。

気持ちのよい快晴の日曜日。午前8時より恵比須流が、ベイサイドプレイスの先にある櫛田神社浜宮にて棒洗いの神事を行いました。

午前7時に櫛田神社で舁き棒を受け取った恵比須流は、舁き棒をトラックに乗せて浜宮に運び入れ、棒を洗うための海水を博多湾から汲み上げます。

舁き棒は浜宮の祭壇に向けて並べられます。棒を洗う道具は縄をぐるぐる巻きにしたお手製の”たわし”です。

午前8時、恵比須流の棒洗いが始まりました。まずは櫛田神社の神職が、棒を洗う道具と舁き棒、そして神事参加者をを祓い清めます。

「それでは、棒をお洗い下さい。」という神職の言葉を受けて、男たちは汲み上げてきた海水を6本の舁き棒に掛け、たわしを手にしてこすり上げていきます。恵比須流は地域ブロックで行事を行っているため、今年は横町・官内町と、上竪町・上金屋町の4ケ町が今日の棒洗いを行いました。

「ジャンジャン水をかけんか」というハッパを受けて力を入れて洗う男たち。海水で洗いあげた舁き棒を、最後は真水を掛けながら洗って”すすぎ”ます。

棒を洗い終えたら、総務が祭壇に玉串をささげ、全員で拝礼を行って、山笠の無事奉納を祈願します。

最後に記念撮影を行い、恵比須流の棒洗いは無事終了しました。

その恵比須流と入れ違いに浜宮にやってきたのは、今年二番山笠を務める大黒流の当番町である下新。
到着すると、早速、恵比須流と同様に海水を汲み上げます。今日は海水の水位が高く、汲み上げるのにあまり苦労しないようで「水位が高いから(バケツを)落としても大丈夫やな」「え?落とすの?」と和やかな会話が繰り広げられます。

大黒流の舁き棒は1987年(昭和62年)に新調されたもの。もう35年も使っていることになります。境内に運び込まれた舁き棒をよく見ると、表の鼻環の辺りに舁き縄を引っかけやすくするためのくびれがあります。山笠に使う「舁き棒」でも、各流によって舁き棒やデザインが違うのが面白いところです。

午前9時より神事が開始。木村信博総務を始めとした下新の男たちと道具・舁き棒が祓い清められ、男たちは手にしたたわしを手に舁き棒を洗い始めました。

海水で舁き棒を洗い終えたら、総務が祭壇に玉串を捧げ、無事奉納を行いました。

神事を終えて大黒流の棒洗いは無事終了。終了後に舁き棒に真水を掛け、きれいにすすぎ上げます。

最後にタオルで舁き棒に付いた水分をふき取っていきます。棒のデザインも各流で異なっているなら、行事の流れも各流ごとに違うことがよくわかります。

舁き棒に付いた一年間の汚れと誇りをきれいに落とした大黒流は、中旬に行われる小屋入りの神事に向けて準備を開始しました。

九州一の歓楽街である中洲では、四番山笠中洲流が舁き山笠を置く場所にて小屋入りの神事を行いました。早朝から準備を行った若手の男たちが、元気よく挨拶を行い、到着した役員らを出迎えます。

祭壇の横には、標題板やお汐井砂を詰める舛、山笠台に使う具材、山笠飾りなど、山笠で使う道具が並べたられています。これらの道具を祓い清めることで、山笠の無事奉納を祈願します。

午前10時、中洲流の小屋入り神事が開始。櫛田神社の神職が修祓をを行い、参加者を祓い清めます。

祝詞奏上が行われたあと、神職は道具らを祓い清め、舁き山を立てて無事奉納ができるよう、山小屋となるこのビルのエントランスの四隅を祓い清め回ります。

最後に副田直一郎総務を始め役員の方々が玉串を捧げ、無事奉納を祈願しました。

無事今年最初の神事を終えた中洲流の関係者の表情に和やかな笑みが浮かびます。中州流の舁き山笠と飾り山笠を担当する中村信喬人形師と溝口堂央人形師が、和やかに会話をしている姿が印象的でした。