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博多中で”棒締め”が行われました

博多どんたくも終わり、次第に6月の姿が見えてきました。博多の町はゆっくりと山笠に向けて進んでいます。

博多区対馬小路にある博多中学校では、「博多の伝統文化を学ぶ」という趣旨で体育祭で山笠を披露していますが、来週はいよいよその体育祭。生徒は体育祭に向けて準備を行っており、本日5月13日(土)の午前中に山笠台に棒を取り付ける「棒締め」を行いました。

しかし、本日の天気は小雨ながらあいにくの雨模様。外での作業ができないため、例年はグラウンドの脇で行っている棒締めは、一階の渡り廊下にて行われました。

午前9時。棒締めを行う生徒が集まり、地域の大人たちの指示と協力のもと、棒締めの準備を開始します。

教えてくれるのは、山笠に実際に関わっている大人。縄の掛け方や結び方、棒の位置具合などを生徒に説明してくれます。
一方で「子供山笠の時にやったことがあると思うけど・・・うん?やったことない?・・・そうか、コロナの時か」というやりとりもあり、コロナによる空白の2年間の影響も感じます。

準備が整うといよいよ棒締めの開始。
2回の体育館から聞こえる体育祭の練習の声出しが聞こえる中、「棒ー締めた、棒締めたー!」の棒締め独特の掛け声が負けじと響き渡り、、生徒たちがおやし棒を押し込み木槌をふるいました。

校内では、山笠で使う舁き縄と手ぬぐいも作られています。
廊下では舁き縄づくりが行われており、大人たちの指示に従って慣れない手つきでワラをよって縄を編んでいきます。寄った細い縄をさらに編んで、太目の縄にし、引っ張ってまっすぐにした後二つ折りにして「舁き縄」が出来上がります。

被服室では、女生徒が染めた手拭をアイロンにかけ、まっすぐにした手拭に型紙を使って今年の標題を染めていきます。

棒締めの道具に突然不具合が発生するという予期せぬトラブルで、現場はかなりバタバタしたものの、午後12時過ぎ、生徒たちの手によって今年の山笠台が完成しました。

この悪天候のため、毎年グラウンドで行っている棒締めの具合を確認する「試し舁き」は中止・・・の予定でしたが、雨がかなり止んだので急遽「よいよい」と呼ばれる歩くスピードでの試し舁きを行わうに。集められた3年生の身長に合わせて、山大工が棒に付く場所を指示していきます。

棒に付けなかった子は、誉の「鼻取り」に。「”残り物には福がある”やな!」という一言に全員で大笑い。

台上がりは、なんと表に校長先生、見送りに教頭先生が上がることに。生徒たちが台上がり初体験の校長先生をからかうシーンも見られ、場は和やかな空気となりました。

渡り廊下から慎重に山笠台を降ろし、いよいよ試し舁き。ぬかるんだグラウンドを、生徒たちは「よいよい」の歩くスピードで軽く周回します。肩にずっしりのしかかる山笠の重みに、歯を食いしばりながら運ぶ生徒達。「右肩傾いとるぞ」と大人たちの激を受けながら、試し舁きを終えました。
初めて山笠台に座った校長先生は「マイケル・ジョーダンの高さですね。あんなに高いとは思いませんでした。感激しました」と終始笑顔でした。

最後に手一本が入れられ、無事棒締めの”授業”が終了しました。
いよいよ来週は体育祭本番。生徒たちは立派な山笠を披露してくれるでしょう。