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約千年前の平安時代一〇一九年、栄華を極めた藤原道長が望月の歌を詠んだ半年後のことであった。彼との政争に敗れた甥の藤原隆家は左遷され大宰権帥に就いていた。大陸で刀伊と呼ばれた女真族が海賊となって船団を組んで壱岐・対馬を襲い人民を虐殺・拉致して博多湾に攻め寄せた。刀伊は能古島を拠点にして早良や博多の街、筥崎宮などを焼き討ちにしようとした。隆家は「さがな者」と呼ばれ公卿には珍しい武闘派であったので、隆家自ら九州武士団を率いて激戦の末に刀伊を撃退し、武名を轟かせた。元寇を遡ること約二五〇年前の出来事であります。
飾り山笠の両脇には、博多織デベロップメントカレッジの生徒の皆様が制作した、国の伝統工芸品博多織の献上柄を飾り付けています。
[人形師:川﨑修一]
場面は源氏物語の二十四帖に登場する「胡蝶」の巻をテーマに制作しています。
光源氏が三十六歳太政大臣の時代に御殿の池で催した宴の場面です。
春の三月、唐風龍頭鶏首船を浮かべ、船上で舞う童胡蝶の舞姿と雅楽を奏でる・人が華やかに登場します。
紫式部と光源氏が見守る中、平安時代の優美・優雅さを背景として再現いたします
[人形師:室井聖太郎]