博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

志賀海神社(しかうみじんじゃ)

江戸時代、国宝「金印・漢委奴国王」(福岡市博物館所蔵)が発見されたことで有名な志賀島の神社。

志賀海神社は綿津見三神を祀った、古来より「龍の都」「海神の総本山」と呼ばれ、航海の守護神として信仰されている神社である。
祭神が禊で出現されたという事から、もろもろの穢・厄・災などを祓い清める神威を顕現しているといわれている。

神社の各入り口には、お潮井(真砂)の桶が置かれており、神社に入る際は体の左右にこの真砂を振って浄める。まさに山笠のお汐井と同じ使い方をする。
なお、志賀海神社では「お潮井」という文字が使われているが、朝すくった真砂は「お潮井」、夕方の真砂は「お汐井」と定義されている。

中洲流の志賀海神社参拝

中洲流は地鎮祭を行った後、志賀海神社へ参拝を行っている。

箱崎宮のお汐井(真砂)は、志賀海神社下の砂浜(禊場)で取ってお祓いを済ませた真砂から運んでいることから、中洲流はそのお礼として参拝を行っているとのこと。
中洲流の志賀海神社参拝の歴史は古く、平成11年に刊行された「中洲流 五十年の軌跡」によれば、昭和30年代に志賀海神社参拝を行った写真が掲載されている。
その中では「レクレーションを兼ね、諸先輩方と共に祈願に行く」という一文が記載されており、当初はレクレーションとして参拝した祈願だったが、参拝を長く続けることで歴史ある「習わし」として扱われるようになった、と考えられる。