博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

石堂橋(いしどうばし)

中呉服町と千代3丁目交差点を繋ぐ橋。長さ57.5メートル、幅は9メートル。車道2車線に歩道が設けられている。

博多祇園山笠に於いては、7月1日と9日に行われる山笠期間中の安全を祈願する神事「お汐井取り」で、この橋をスタート地点として渡っていくのが習わしとなっており、千代流も博多部に入る際はこの橋を通っていく。

山笠に縁深い橋であるので、欄干には七流の提灯を形取った高欄が飾られており、柵も山笠の網代をイメージしたデザインが施されている。また、また橋のたもとは「石」という字がモチーフになった飾りが施されており、「石堂丸」「濡衣塚」などの伝説や民話を題材にしたレリーフが飾られている。

現在の橋が架かったのは2年後の1989年(平成元年)。先代の橋は、明治37年(1904年)5月に完成した木橋。レンガ積みの橋脚で、丸太組みの上にコンクリートで舗装した設計は、当時ではかなり「モダン」な造りの橋であった。しかし長年の使用により傷みが激しくなり、築83年を迎えた1987年(昭和62年)に取り壊され、現在の橋に架け替えられた。
最後の年はあまりの老朽具合に、博多区役所と博多署の担当者が砂を積載したダンプカーを通行させて、ダメージ具合を現地視察。結果「このハシ(端)を渡らずに、真ん中を通ること」という一休さんのとんち話のような指示が出されたので、千代流は真ん中をゆっくり渡って旧橋を渡ったと言われている。旧橋は7月15日が終わってから取り壊しに入った。