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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

台上がり(だいあがり)

山笠台に座り、舁き手を鼓舞しながら舁き山笠の指揮を行う人の事。
正しくは、3人座った際の両端を「台上がり」、真ん中の人を「棒さばき」と呼ぶが、近年では山笠台に座る人をまとめて「台上がり」と呼ばれる事も多い。
山笠の「表」と「見送り」にそれぞれ1~3人ずつ、最大6名が着座する。同じ人が座り続けることはほぼなく、要所要所で入れ替わっていく。 舁き山笠は台幕を紺に変え(=動く意味)たら、例え舁き出し前の動いていない状態の時でも必ず表と見送りそれぞれに台上がりを行う必要がある(いわゆる「空山からやまにしない」)。

台上がりは、「鉄砲」と呼ばれる筒状の指揮棒を手に持ち、赤と白の布を撚って作られたたすき(ねじねじ)を着用する。

ただし、上記の装備は7月12日以降。11日までは鉄砲の代わりに舁き縄を折り曲げて使用し、ねじねじも着用しない。

台上がりの人選は、各流とも7月10日の流舁き前までに決まっている事が多い。流舁きでは、各町の地域に入るとその町の者が台上がりを行う。
台上がりが出来る者は古老や役員などが認めた者なので大変名誉な事であり、山笠に参加する以上は一度は憧れる役目である。山笠の華でもあるので、台上がりが決まると「この日のこの場所で台上がりするから」と報告して回る人も多い。特に、表の中央に座る「台上がり」は、最もほまれ感が高い。

なお、2015年7月31日放送のTNCテレビ西日本「華丸・大吉のなんしようと?」では、流舁きに参加している博多華丸氏が、小松政夫氏からいきなり台上がりを任され、恐縮しまくるシーンが見られる。(LINK:岩正ブログ~中洲の寿司屋~

7月11日の集団山笠見せの台上がりは、福岡の知名士が務める事となっており、毎年7月2日に台上がりを行う地名士が発表される。

台上がりは山笠台の上から舁き手達を見下ろす形となるため、舁き棒に付いている舁き手の動きや場所を確認し、舁き手が抜けて空いている棒があったら指で何番棒かを指を立てて知らせつつ、鉄砲で棒を叩いて近くで走っている舁き手に棒に付くよう促す指揮を行う。

表と見送りの動きの違い

同じ台上がりでも、表と見送りに座っている舁き手の所作は異なっている。

表の台上がりは、舁き山笠を前に進ませるかのように、下から上へ鉄砲を振り上げる、またはすくい上げるような所作を行う。
一方、見送りの台上がりは手を広げ、両手でかき込むような所作を行う。

つまり山笠は、見送りの台上がりが後押しの力を山笠にかき込み、表の台上がりが道を作るかのように前進する推力を作る・・・という山笠が動く仕組みが、台上がりの所作で示されているわけである。

正座での台上がり

土居流、大黒流、西流は、7月11日の流舁き(朝山笠、他流舁き)まで台上がりは舁き棒の上に正座をして台上がりをするのが習わしである。
7月11日の流舁きが終えた後に、山笠台の杉壁を下げて座るところを作り、追い山笠から山笠台に座って台上がりを行う。

激しく動く山笠上で、バランスを取りながら脛を痛めないようにしながら台上がり・・・しかもどんどん交代していく様は驚きの光景である。

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