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世界水泳で飾られる特製舁き山笠の飾り付けが行われました 他

朝から大雨予報が続く7月8日(土)の博多の町。明日全町お汐井取りを控え、恵比須流と西流が昨日飾り付けた山笠に神を宿す「御神入れ」の神事を行いました。

大粒の雨がテントを叩く音がする中、午前9時より神事が始まりました。今年の標題は人形司武平人形師が手掛けた源頼光をモデルにした「青天白日怒雷奔(せいてんはくじつどらいはしる)」です。

神事には恵比須流の当番町や役員らが参加。櫛田神社の神職がお祓いを行い、神に祝詞を奏上します。

そして、舁き山笠を前に大幣を振り切幣を撒いて祓い清め、舁き山笠に神を込めました。

西流も午前10時より御神入れの神事を行い、西川直樹人形師が手掛けた人形「強弓一箭裂鬼神(ごうきゅういっせんきじんをさく)」に神を込め、山笠は奉納する”御神体”としての山笠へと変わりました。

千代流の子供山笠は本日二日目。本日は三丁目から五丁目を舁き回る日で、14時から舁き出しました。その途中で大人の舁き山笠を訪問。大人の舁き山笠と子供の舁き山笠の表を向けあい、お互い口上を述べてエールを送りあう「親子対面式」が行われました。

山笠のフィナーレ7月15日が次第に近づいてきていますが、今年福岡市で開催される「世界水泳選手権2023福岡大会」の開幕も近づいてきました。

開幕まで一週間を切っており、会場の一つとなるマリメッセ福岡では会場設営で大忙しのようですが、マリンメッセB館に隣接する特設エリアにて、飲食や物販・エンタメなど様々なおもてなしの催しを開催する「Fukuoka Ichiba(フクオカイチバ)」に展示する特製の舁き山笠が展示される事になっています。

本日7月8日、マリンメッセA館とB館の間に掛かる屋根の下で、まずは山笠台を作る棒締めが午前9時より行われました。棒締めを行っている脇には、山笠台に飾る人形がトラックに載せられて到着。今回、通常の舁き山笠の1.5倍もある3メートル50センチの大きな聖一国師が飾られるのですが、トラックに立てて持ってくると電線に引っ掛かる可能性が有るという事で、傾けて運搬してきたとのことです。

棒締めを担当したのは、今年の一番山笠土居流の当番町などの男たちです。

大きく吹き抜けた場所で風もあり、雨でぬれる心配のない場所ですが、湿気をたっぷり含んだ空気が漂い、男たちの熱気も相まって蒸し熱く感じます。男たちは大きな声で「棒締めた!棒締めた!」と掛け声を掛けながら、棒を山笠台に取り付けていきました。

棒締めが終わると舁き棒に鼻縄が取り付けられ、手拭いを頭に撒いて、いざ「試し舁き」。飾るだけで走らない山笠ではありますが、作業の具合を確かめるために習わしに沿って行われます。

博多祇園山笠振興会の役員である正木会計と金子総務が台上がりした山笠台を男たちが担ぎ上げ、「オイサ!」の声を響かせてA館とB館の間を1往復。棒締めの具合を確認しました。

午後からは、人形の飾り付けが行われます。この人形を制作した中村弘峰人形師が現場に到着し、細かく指示を出していきます。

なにせ、飾り山笠とも違う、通常の舁き山笠とも違う、1.5倍の大きさのある特製の山笠人形。いつもと勝手が違う山笠ですので、まずは、中村人形師はノコギリを手にして中心線に見立てて、人形の配置を慎重に確認して山笠に据える指示を出していきます。

人形も大きかったら、聖一国師が手にする柄杓もビッグサイズ。中村人形師が慎重に手に柄杓を通し、固定します。

その大きさは圧倒的。圧倒的故に実際に飾り付けるとイメージと異なる事も出てくるので、その度に中村人形師は的確に修正と提案の指示を出して調整していきます。

飾り付け作業は夕方まで行われ、明日御神入れの神事を行います。一般公開となるのは、7月14日の世界水泳から。会場を訪れる人たちをこの特製の舁き山笠が迎え入れてくれます。