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6月最後の週末、各流の準備が大詰めを迎えています

6月最後の週末となった本日6月24日(土)、各流・各飾り山笠は山笠開幕を来週土曜日に控え神事や作業を行いました。

特に今日は、ベイサイドプレイスの先にある櫛田神社浜宮は、午前7時の西流を皮切りに、中洲流、土居流、天神一丁目、千代流が棒洗いを行い、次々と男たちがやってきて舁き棒を洗い浄めました。

西流

西流は、午前7時より棒洗いの神事を行い、神職が祓い清めた舁き棒を博多湾の海水で洗い清めました。最後、鼻環に祓い清めた御神酒を注ぎ、山笠の無事奉納を祈願しました。

中洲流

西流が棒洗いを終えた後にやってきたのは中洲流。神職が棒を洗うたわしを祓い清めた後、海水を掛けて舁き棒に付いた一年間の汚れと埃を洗い流しました。

土居流

今年の一番山笠を務める土居流は本日の9時より棒洗いの神事を執り行いました。
誉の一番山というだけあって、テレビ局、新聞社が多数取材に訪れ、神事の様子を伝えます。
当番町の中土居町の男たちがたくさん参加したこの棒洗いの神事。交代をしながら全員で舁き棒を洗い浄め、今年の一番山の責務としての無事奉納を祈りました。

天神一丁目

本日唯一の飾り山笠の棒洗いとなる天神一丁目は、午前10時より棒洗いを行いました。午後から棒締めを行う予定の天神一丁目は、午前9時過ぎに櫛田神社より引きdした舁き棒を浜宮に運び、丁寧に洗ったあと水気を拭きあげました。

千代流

午前11時より棒洗いを行ったのは千代流。参加者はお祓いを受けた後に祓い清められたその身で海水を汲み上げ、舁き棒の汚れを洗い落としました。最後に川口総務が鼻環に御神酒を注ぎ舁き棒を祓い清め、無事奉納を祈願しました。

東流は飾り山笠の棒締めを、飾り山笠を建てるビジネスセンタービルの玄関口にて行いました。

オッショイの掛け声とともに、棒締めを行うため倉庫になおしていた山笠台と舁き棒を運び入れ、山笠台に舁き棒を通して準備を行います。

棒締め前に御神酒を口に含んで身を清めると、棒締めの開始です。最初の木槌の一振目は山口総務が行い、総務が「棒締めた!」の掛け声をかけると「棒締めた、棒締めた」の声をあげながら、総務と男たちが締め上げられていく荒縄を木槌で叩きます。

手慣れた感で、棒締めの作業がすいすいと進んだ東流。
棒締めが終わると、早速「矢切」と呼ばれる飾り山笠の骨組みの建設を開始しました。

櫛田神社の飾り山笠は、本日は見送り側の飾り付けが行われ、午前9時より作業が行われました。

見送りの標題は日本神話の日本武尊による八岐大蛇退治を描いた「神話八俣遠呂智(しんわやまたのおろち)」。今年より飾りを担当する人形師は、十五番山笠ソラリアの見送りを担当する小嶋慎二人形師です。小嶋人形師はソラリアの長法被に身を包み、飾り付けの作業を行いました。

人形の顔は紙で覆われており、飾り山笠に上げる前に最後にその紙を外して表に出します。小嶋人形師は飾り山笠に上げる前に、刀などの小物を針金を使って固定していきます。

高さ10メートル以上ある飾り山笠で飾りが立体に見えるよう、遠近感を利用したデザインで飾りが作られているのがよくわかります。

小嶋人形師は、上に登った山大工らに細かい指示を出しながら、飾り付けを行っていきました。
飾り山笠の一般公開は7月1日より。出来上がったばかりの飾り山笠を楽しめるのはあと一週間後です。

飾り山笠の飾り付けを行っている目と鼻の先にある清道内では、桟敷席工事の間を縫って、清道旗を立てるための準備が行われ、櫛田神社の氏子青年会によって棒を支える玉垣と呼ばれる砂を詰めた俵を積み上げる作業が行われました。
玉垣の一つの重さはおよそ30~40キロ。大事な清道旗が倒れぬよう積み上げられ、崩れぬよう荒縄で固定されていきます。きれいに積み上げるために、積み上げた玉垣に乗って水平に慣らし、水平器を使って角度のチェック。一発で水平が出ると「おおー!」と笑顔と歓声が参加者の間から溢れました。

このように博多のあちらこちらで、山笠の準備が行われる風景がみられ、町の詰所を設営したり、奉賛芳名板が建てられた光景が見られます。櫛田神社では、26日(月)に行われる桟敷席の販売の準備として早くも椅子が引き出され、いよいよ山笠開幕が近づいてきたことを実感します。

千代流は本日より山小屋建設を開始しました。

中洲流は、山笠台の台足に総務の名前などを入れる「筆下ろし」の行事が行われました。

今年より、筆を入れるのは中村学園三洋中学・高等学校の書道部顧問である靍田賢良(つるだたかふみ)さんが担当。開始前に総務が謝辞を述べた後、手打ちが行われて筆下ろしの行事が始まりました。

まずは、総務が軽く一筆下ろします。

その筆を継いで、靍田さんが緊張の面持ちで慎重に筆を入れていきました。

靍田さんが総務の名前を一文字一文字入れていく様子を、後ろで総務がじっと見守ります。
最後に「郎」の文字が入り終わると、ふっと安堵したにこやかな笑顔が総務の顔から溢れました。

本日の午後1時から、棒洗いを午前中に終えた天神一丁目が、山小屋の下で棒締めを行いました。男たちは新調されたスタッフTシャツ姿になり、頭に手拭を巻いて、棒締めの作業に備えます。

初めて棒締めに参加する人も多いようで、山大工が作業内容とポイントを説明しつつ、棒締めが開始。「棒締めた!」の掛け声に合わせて、総務が木槌を振り最初の棒締めの一振り目を飾りました。

人通りの多い博多大丸のアーケード下とだけあって、アーケードに響き渡る木槌の音と「棒締めた!」の掛け声に、通行する人も思わず足を止め、男たちの伝統的な作業の様子を見物していました。