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初夏のような晴天の下、2週間後の山笠開幕に向けて様々な行事が行われました

山笠開幕まであと2週間、追い山まであと1か月となった本日6月17日(土)。様々な場所で山笠開幕に向けての準備が行われ、「オイサ!」の声があちらこちらで上がりました。

初夏の日差しを感じさせる晴天の一日となった今日。まずは早朝の午前8時より、十三番山笠 キャナルシティ博多がベイサイドプレイスにある櫛田神社浜宮にて棒洗いを行いました。

櫛田神社の神職が参加者をお祓いし、これから洗い清める舁き棒をまずは祓い清めます。

お祓いを受けた後、総務が博多湾からくみ上げた海水を舁き棒にかけた後、参加者は手にしたタワシで棒に付いた一年間の汚れと誇りを洗い落としていきます。

最後に玉串を捧げ、今年の山笠の無事奉納を祈願しました。
キャナルシティはこの後舁き棒を飾り山笠を建てるキャナルシティのサンプラザステージに持ち帰り、飾り山笠を建てる場所を祓い清める神事「小屋入り」の神事を行いました。

今年の一番山笠を務める土居流は本日より始動。午前10時より山小屋を建てる明治通り沿いの場所を「小屋入り」の神事を行って祓い清めました。

山小屋は明治通り沿いの歩道に作られますが、神事は近所の会社の駐車場で行われました。駐車場には山笠で使う道具が並べられ、山小屋が建つ場所の他にもこれらの奉納するため道具も一緒にお祓いを受けます。

櫛田神社の神職は、山小屋の経つ場所の四隅を大幣を振って祓い清め、道具を切幣を撒いて無事奉納を祈願します。

最後に玉串奉奠を行って祭壇に玉串をささげ、全員で祭りの無事奉納を祈願しました。

十七番山笠 博多リバレインも本日より始動。棒洗いを午前9時半に行った後、10時30分より小屋入りの神事を執り行いました。

小屋入りの神事を執り行った後、早速山笠台に洗い清めてきた舁き棒を山笠台に据え付ける「棒締め」を行います。

山笠台に半円状にくり抜かれた「棒ぐり」に6本の棒を通し、棒締めの準備を進めます。

棒締めの前に、小屋入りの神事で祓い清めた「御神酒」を総務がふるまい、棒締めを行う男たちを浄めます。

「棒締めた、棒締めた」の掛け声に合わせて、荒縄を掛けたおやし棒と呼ばれる棒を倒し、てこの原理で山笠台と舁き棒を荒縄だけで締めあげて縛り上げて行きます。

棒締めの作業は順調に進み、1時間程度で6本の舁き棒はしっかりと山笠台に取り付けられました。

そして、この棒締めの作業で舁き棒が緩みなく山笠台に取り付けられたかどうかを確認する「試し舁き」を行います。これは飾りも何もない状態で出来上がったばかりの山笠台を実際に担いで走ってみる、いわゆる山笠でいう「舁く」ことで、チェックを行います。博多リバレインは飾り山笠なので動くことがなく、試し舁きを行う必要がないのですが、この場所は1995年まで舁き山笠を持っていた地域であり、飾り山笠でも試し舁きを行っています。

縄を切っただけの簡易的な舁き縄を掛けて舁き棒に肩を入れ、「オイサ!」の声を響かせて、今年の各舁き山笠・飾り山笠に先駆けて今年初の「試し舁き」を行い、アーケード内を端から端まで一往復行いました。
通常の舁き手の人数が少ないうえ交代なしの状態での山舁きなので、一往復すると荒い息。それでも満足な笑顔が全員の顔に浮かびます。最後に手一本を入れて本日の一連の行事・作業を無事終えました。週が明けると山笠の骨組みである矢切を建てて、あとは飾り付けを待つばかりです。

飾り付けの準備を進めるのは、櫛田神社の飾り山笠も同様です。先日山解きを行ってメンテナンスを行った櫛田神社の飾り山笠ですが、本日棒締めを行いました。
まずは水を掛けて棒の汚れを洗い落とし、縄を振って荒縄に付いたたるみや捻じれを取ります。

櫛田神社の棒締め作業は東流の男たちが担当しており、「棒締めた!」の掛け声に合わせて荒縄で舁き棒を縛り上げて行きます。手際よく作業が進み、一時間程度で山笠台に舁き棒が据え付けられました。
飾り付けは下旬よりスタートしますので、その準備が整いました。

大人の山笠も準備が進めば、子供の山笠の準備も進みます。博多小学校の子供山笠も、本日棒締めの作業と舁き縄作りが、小学校の渡り廊下にて行われました。
博多小は授業の一環で「博多の伝統文化を学ぶ」というテーマで、毎年7月に子供山笠を行っています。

棒締めを体験するのは5年生。先生や山笠に参加している地域の大人たちのアドバイスと指示を受けながら、人生初の山笠作りを通して伝統文化を勉強していきます。

生徒の「棒締めたー!」の掛け声とともに、全員で「棒締めた、棒締めた」とはやし、木槌で締め上げられていく荒縄を叩いて空気を逃がし、がっちり舁き棒を山笠台に締め上げて行きます。

今年はRKB子供山笠も復活するという事で、テレビクルーの人を始めたくさんの人が棒締めを見守りました。

6年生は、山舁きする際に必要なマイ舁き縄を制作。地域の大人の説明を受けて、今までの人生で経験した事のない「縄ない」を行います。

二本の縄をよって太い縄にしていく作業。慣れない手つきで指導を受けながら自分の身を守るための舁き縄を作り上げていきました。

山笠台と舁き縄が出来上がると、その具合を試す「試し舁き」が行われます。大人たちがグラウンドまで、出来上がった山笠台を運び、山笠台や縄に水をたっぷり掛けてまわり、縄と山笠台の密着度を高めます。

各ポジションに付いた生徒達に、山笠に出ている大人たちから各ポジションの役割と舁き方がアドバイス。生きたアドバイスを受け、子供達も真剣な表情で聞き入りました。

いよいよ舁き出しの時。子供たちの真剣な表情に緊張がみなぎります。

先生たちの合図を受けて、「ィヤアァァー!!」と声をあげて、子供山笠が駆け出しました。グラウンドには勢い水のバケツを持った女子生徒たちがスタンバイ。男子生徒達に水を掛けて鼓舞します。

舁き手の子供達全員が山舁き経験を積むことができるよう入れ替えを行ないながらグラウンドを一周。山笠は一度も途中で立ち止まることなく、無事走り切りました。

“授業”の最後に終わりの回を開き、今年の標題は今年はコロナを収束させたいという願いを込めて、難敵ヤマタノオロチを退治したスサノオノミコトを飾りにした「勇猛果敢大蛇滅(ゆうもうかかんにおろちをめっす)」とすることがが発表されました。

博多小の子供山笠は、7月1日(土)と2日(日)に行われ、博多の町を駆け抜ける予定で、大人たちの中からは「この試し舁きが終わると一気に山笠がきちゃうんだよね」とやってくる山笠期間の到来が待ちきれない迂様子が聞かれました。