関東地方に向かう台風の影響か、蒸し暑い晴れの一日となった6月27日(日)。あと5日後と迫った7月1日に向け、各飾り山の飾り付けの作業が本格化しています。
十番山笠 博多リバレインは本日より飾り付けの作業が開始。博多リバレインとホテルオークラの間にある通路に立てられた飾り山にて、午前8時より飾り付けの作業が始まりました。
今年の標題は表は「婆娑羅大名道誉(ばさらだいみょうどうよ)」、見送りは「博多祝之七福神(はかたいわいのしちふくじん)」となっており、共に生野四郎人形師が手掛けています。まずは表側の飾り付けが行われ、武者の人形が次々と矢切に上げられ、据え付けられていきます。
一旦表側に人形が上げられた午前11時から見送り側の飾り付けがスタート。手際よく飾りが矢切の上に運ばれていきます。
飾り山の下から、生野人形師がマイクを使って、飾りの位置や角度を指示し、矢切の上の山大工らがその指示に合わせて調整していきます。
本日は快晴。見送り側は時間帯的に逆光になってしまい、飾りの角度が見づらくなる事も。生野人形師は、「誰かこの柱どけてくれんか?」と笑顔でジョークを飛ばしながら、直接光が目に入らない柱側に移動し、飾りの様子を確認します。
見送りの標題は「七福神」がモデル。人形も、大黒天、恵比須天、毘沙門天、寿老人、福禄寿、弁財天、布袋尊の7体が作られており、大変賑やかな飾りになります。
お昼には全ての人形が上がりきり、矢切は七福神の人形で大賑わい。にぎやかな七福神が集う飾り山を見る事とができるのは、あと5日後となります。
博多リバレインの飾り付けは明日まで続き、一般公開は7月1日(木)からとなります。
十七番山笠 ソラリアも本日より飾り付けの作業がソラリアプラザの1階イベント広場「ゼファ」にて始まりました。
今年の標題は、表が置鮎正弘人形師による猛将と謳われた可児才蔵が主役の「猛将才蔵去退病(もうしょうさいぞうやまいをもしりぞける)」で、見送りが小嶋慎二人形師によるの筑紫に遷都した様子を描いた「筑紫遷都誉(つくしせんとほまれ)」となります。
足場が組まれた飾り山の下には飾り付けを行う飾りの主役である人形達が出番を待っており、置鮎人形師の指示に合わせて矢切の上に引き上げられていきます。
引き上げられた人形は、トランシーバーを使って矢切の上の山大工に指示が行われ、それに合わせて山大工が人形の角度や位置を調整して飾り付けを行いました。
ソラリアの飾り付けは6月29日(火)まで行われ、6月30日(水)に総仕上げを行った後、7月1日(木)より一般公開されます。
飾り付けが進む中、櫛田神社でも山笠期間を迎えるために、様々な準備が行われました。
櫛田神社の境内前では、西流が舁き棒を神庫から取り出し、埃や汚れを洗い落としました。今年の博多祇園山笠は舁き山行事が延期となり、舁き山に関する全ての行事が行われません。それでも棒についた埃は洗い落としておくという山笠に対しての気持ちと来年に向けての意思を強く感じました。
清道では、清道旗を立てる支柱が櫛田神社の氏子の方々によって立てられました。
今まで博多松囃子が重要無形民俗文化財に登録された記念ののぼりが立てられていた鯉のぼり用の支柱を抜いた後、博多祇園山笠の清道旗用の支柱を差し、旗竿部分の支点の木材を打ち込みます。
そして、旗竿に掛けた紐を全員で引っ張って起こし、縛り上げて固定しました。
支柱の準備が出来たら支柱が倒れないよう玉垣を積み上げます。地面には玉垣を積むための目印となる円が描かれています。サイズは直径180センチ。支柱が直径20センチあり、直径から半径60センチで玉垣を積み上げられます。
円の内側に玉垣が入るよう置かれ一段目が完成。今年の玉垣は、4段目までは6個使用し、5段目・6段目は5個、最後の7段目は4個を積み上げ、完成となります。
基礎となる1段目を丁寧に組んだ後、2段目からは荒縄で支柱に固定しながら積み上げていきます。
お昼前には、玉垣も積み上がり、7月1日に清道旗が博多の町にひるがえるのを待つばかりとなりました
八番山笠 上川端通は、本日早朝より棒締めを行いました。
午前7時半、上川端商店街に舁き棒と山笠台が搬入されます。
ユニック車のクレーンが慎重に大事な山笠台と舁き棒をゆっくりと持ち上げ、慎重に下ろしていきます。
下ろした山笠台に早速舁き棒を通します。棒ぐりに舁き棒を通し、6本の棒鼻がきれいに一直線になるよう棒鼻を叩いて微調整します。
棒3本に垂木を渡し、紐で締めあげます。これは棒締めを行う中で、棒がずれないようにするための物で、締めた紐が緩まないよう木製の楔を打って完全固定します。
山笠台に舁き棒を固定するのは、長く太いこの麻紐だけ。釘を使わずに締め上げます。伸ばしてねじれを取った後、真ん中部分に印の紐を巻きつけます。
棒締めの準備が整ったところで、作業前の挨拶が行われました。新型コロナ感染対策を十分に行うように申し渡しが行われた後、「楽しく丁寧にやりましょう」と挨拶が行われ、棒締めの作業が始まりました。
2年ぶりの棒締めとなった今回の棒締め。「手順、忘れてたらどうしよう」と笑いながら紐を裁く人も。人数を制限した作業となりましたが、ベテランも若手も参加した今年の棒締め、参加者の表情には喜びの表情にあふれ、楽しく丁寧に棒締めの作業が行われました。
棒締めが終了した後は、舁き棒が固定された山笠台に矢切が立てられ、あとは飾り付け作業を待つばかりとなりました。
上川端通 棒締め pic.twitter.com/OjlVB2zXbw
— M_Film (@M_film0) June 27, 2021