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『博多の食と文化の博物館 ハクハク』の舁き山を見てきました

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去る4月24日に、東区社領にて博多の食文化体験施設「博多の食と文化の博物館 ハクハク」がオープンしました。こちらの施設は、明太子のふくやの製造工場「ふくやフーズファクトリー」の見学・体験施設をリニューアルしたもので、「福岡・博多が全国に誇る「食」と「文化」を広くお伝えすることで、地域をもっと盛り上げたい」という思いから、当博物館のオープンに至りました。
博物館には、明太子の製造工場見学や明太子体験工房はもちろん、「祭」「食」「工芸」の魅力を伝える様々な展示や体験コーナーや、明太子のショップ、カフェなどが併設されております。・・・が、なんと言ってもまず目立つのが建物の前にある「博多祇園山笠」と染め抜かれた山小屋、そして博多祇園山笠の舁き山でしょう。施設内部などのレポートが多い中、山笠ナビはこの『舁き山』について取材させて頂きました。

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ハクハクに建てられた舁き山は、標題「博多守護長政公(はかたのしゅごながまさこう)」。人形師は中村信喬さんです。博多祇園山笠にて作られる舁き山と同じサイズで作られており、この舁き山はハクハクの建物前に建てられた山小屋に常設展示されています。もちろん表は櫛田神社の方角に向けられており、ハクハクを訪れた方はいつでも見物することが出来ます。

今回の舁き山の展示は、元々ふくやの創業者が”山のぼせ”で山笠と博多部(中洲にて創業)に縁が深かった事と、常設展示の飾り山は何基か建っているが常設展示の舁き山は現在ないため、新しく生まれる『ハクハク』のシンボルが欲しかった、という事から、博多の魅力を伝えるというハクハクの理念と一致した事から、舁き山の展示に至ったとの事です。

「あと、県外の方など『山笠って本当に担いでるの?』『車輪とか付いてるんじゃない?』と思ってる方が多いので、ぜひ本当の大きさの舁き山を見て欲しかったんですよ」と話すのは、ハクハクの館長。「実際見て頂いくと『おおー!』と感心する人が多いですね。『車輪とか本当に付いてないんだ』『こんな大きいサイズをみんなで担ぐんだ』と初めて知る人が多いです」。

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しかし、博多祇園山笠にて舁かれる舁き山と大きな違いがあります。それは、この人形の素材。この舁き山の人形飾りは、何と『木彫り』で出来ているそうです。
というのも、”常設展示する舁き山を作りたい”という意向を人形師の中村信喬さんに伝えた所、「何十年も持つような長持ちする山にした方がいいのではないか」という提案があった事から、木彫りで作った人形になったとの事。常設展示のため、花や杉壁の杉は造花で作られています。そのため通常の舁き山の重さは1トン以上あるのですが、「この山は多分それ以上の重さはありますね(館長)」。

今回の展示までには様々な苦労があったようです。その一つが舁き山の設置場所。元々は博物館のロビーに舁き山を展示するレイアウトを考えていたそうです。しかし、舁き山の高さは4.5メートルに対し、建物の高さは3メートルと、山が建物に収まらない事が判明。一時は『床に穴を掘る』という選択肢も考えられたそうですが、工事などの様々な問題もあったため、今日のように入り口横に山小屋を建ててそこに納めるようにしたそうです。

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舁き山だけでなく、館内では博多祇園山笠の紹介ブースもあります。何と山笠映像で初の試みである「山笠3Dシアター」があり、13分にわたる「3Dで見る博多祇園山笠」映像を、3Dメガネを使って迫力のある追い山の模様を楽しむことが出来ます。

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上映されるのは、2010年の博多祇園山笠。飛び出てくる山の飾りや、こちらに向かってくる男衆達など、今までにない山笠の映像を楽しむことが出来ます。
(左はめがねを掛けないで見た場合はボケて見えますが、備え付けの3Dメガネを掛けると物体が飛び出してくる仕組みです)

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もう一つ、3D山笠の後ろでは追い山の日までの行事を紹介する「走れ!!博多祇園山笠」(10分)も上演されており、博多祇園山笠の魅力をたっぷり味わう事が出来ます。

博多の「祭」「食」「工芸」の魅力を知ることができるハクハク。明日からどんたくですが、一足早く山笠気分を味わうためにハクハクに足を運んでみてはいかがでしょうか?

「博多の食と文化の博物館 ハクハク」
●住所:福岡県福岡市東区社領2-14-28 ●TEL:092-621-8989
●営業時間 10時~17時(入館は16時30分まで)
●休館日第2火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始休館。
●入館料:大人(中学生以上)300円、小学生以下無料
●公式サイト:http://117hakuhaku.com/