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島井宗室(右) 1539~1615
神屋宗湛(左) 1551~1635
大賀宗九(上) 1561~1630
十六世紀半ばに来日したイエズス会の宣教師・ルイス・フロイスは、「博多は商人の町。九州で最も格式が高い都市。裕福である。」と、布教報告のなかでその繁栄ぶりを印象深く書き送っています。
中世の博多は中国地方を治めた大内氏と豊後の大友氏の覇権争いの渦中にあり、焼失と復興を幾度となく繰り返してきました。
その後、織田、豊臣、徳川と各政権が戦乱を収めるべく天下統一を目指すなか、博多の三傑と伝えられる三人は、焦土と化した博多の町の自治を守りつつ、復興と発展に力を尽くしました。
島井宗室は、当時、北部九州六カ国の領主であった大友宗麟の支援を背に、酒づくりや金融で蓄えた財で、博多から対馬、朝鮮に至る海上交通路を開き貿易を行い、一代で富を築いた豪商でした。
祖父の寿禎が石見銀山の開山に携わり、その採掘・精錬で代々、財を築いた神屋家。神屋宗湛は上洛を重ね、持ち前の政治力で豊臣秀吉など時の権力者に協力しながら、都市計画(太閤町割り)を進め、その財を惜しむことなく博多の復興・発展に注ぎました。
そして時代は少しくだり、黒田如水(官兵衛)・長政父子に重用された大賀宗九。武士から商人に転じ、黒田家の筆頭御用商人として活躍しました。「商いは全て律儀で慇懃(礼儀正しく真心がこもっている)でなければならない」など十七条の家訓は語り継がれています。
経済の発展につれて、商人が力を持つようになった中世から近世への移り変わりのなか、現在の福博に至る都市計画や商業の発展を図り、商都博多の繁栄の礎を築いた三人は、まさに博多の三傑と呼ぶにふさわしい「博多まちづくり」の先達だったのです。
今年の干支は、「甲」。十干の始まり。そして十二支では「辰」の年。成長・発展の干支と云われています。さまざまな困難を乗り越えて偉大な先人が造り上げた博多を、これからもさらに魅力に溢れた「まち」にする誓いを込めて、奉納しております。
※「博多三傑」には、大賀宗九の代わりに、その子の「宗伯」を入れる説もあります。
○参考文献 『博多』町人が育てた国際都市 武野要子 岩波新書2000年
[人形師:田中勇]
TNCテレビ西日本で絶賛放送中の大人気国民的アニメ「ワンピース」。一九九九年に放送を開始し、ついに今年で二五周年を迎えます。
時は大海賊時代。この世の全てを手に入れた男、海賊王ゴールド・ロジャーが遺した「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を巡って、幾多の海賊たちが覇権を争っていました。
そんな海賊たちに憧れる一人の少年モンキー・D・ルフィは、命の恩人・赤髪海賊団の大頭・シャンクスから預かった麦わら帽子をトレードマークに、海賊王を目指して航海にで出ます。
ルフィは旅の途中、幾多の事件に遭遇し、その度に信頼できる仲間たちを加えていきます。戦闘員のロロノア・ゾロ、航海士のナミ、狙撃手のウソップ、コックのサンジ。
そんな麦わらの一味の五人が博多駅の飾り山に登場です。ご家族皆さんで、アニメでも飾り山でも「ワンピース」をお楽しみください。
[人形師:西川直樹]