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織田信長は「天下布武」を掲げ、戦国の世の武力統一を目指しました。1568年、後に室町幕府15代将軍となる足利義昭を擁して上洛し、五畿(山城、大和、和泉、河内、摂津)の支配を強めました。家臣の柴田勝家、丹羽長秀、滝川一益、明智光秀の4人は、天下人への道を突き進む信長を支え"織田四天王"と呼ばれました。新しいもの好きの信長は南蛮文化をもたらすキリスト教を保護。天正遣欧少年使節がローマへ向けて日本を旅立ったのもこの時代です。日本にとどまらず、世界にも目を向けた信長。ロシアとウクライナの戦争が続き国際情勢が揺らぐ今だからこそ、世界に夢をはせた信長の思いを感じ取ってほしい、この作品にはそんな思いが込められています。
[人形師:中村信喬]
下克上の末、美濃(現在の岐阜県南部)の戦国武将に上り詰めた斎藤道三。主君を裏切ることも辞さなかった道三が最後に敗れ、命を落としたのが長良川合戦です。相手は長男義龍でした。父子の確執から義龍は道三が可愛がっていた弟たちを殺害。亀裂が決定的となり、1556年に長良川付近で両軍がぶつかりました。道三の娘婿である織田信長も援軍を送りましたが間に合わず、兵力で劣る道三は討ち取られました。義龍の采配によって追い詰められた道三は、それまで「無能」としてきた長男への評価を改め、後悔したと言われます。飾り山は合戦模様をあえて描かず、父子の微妙な距離を表現。どんなにすれ違っても、家族は互いを認め合ってほしいとの願いが詰まっています。
[人形師:白水英章]