蒼天のもと 轟音一発 残心のかまえ
-黒田藩御留流陽流抱え大筒-
戦国時代天文年間、鉄砲が伝来して戦術が一変した。その中でも大筒と呼ばれる大口径の鉄砲は、大坂の陣では大坂城を直接砲撃するなど勝敗を左右した。
一〇〇匁(370g)の弾を放つ重量一〇貫目(37kg)の大筒・別名国くづしは城門攻めなどに使用された。本来、台に乗せてはなたなければ支えられない大筒をさらしで巻き、腕に固定し撃ちはなつ。江戸の初めには重さ3kgの弾を120kgの大筒で抱えて放った記録もあるという。
黒田藩の若武者が、青空の下、大筒を撃ちはなった砲声がとどろき渡る。その後の残心をとる姿。古来武術では残心が最も大事と云われ、技をかけ、その後最後まで気を抜かず集中して次に備え、それにあたる。
その美しく雄々しい姿を奉納いたします。
[人形師:川﨑修一]