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特別インタビュー:『一番山笠』を手掛ける(東流 舁き山担当:白水英章人形師)

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7年に一度回ってくる博多祇園山笠の名誉、「一番山笠」。
博多祇園山笠に関わる人は、この「一番山笠」にとても特別な感情を抱きます。
それは、櫛田神社に奉納する順番だけで語れるほど、単純で簡単なものではありません。名誉、目標、想い、矜持など、人それぞれが違う気持ちを一番山笠に対し持っています。

今年の一番山笠は東流が務めます。
その東流の舁き山を手掛ける白水英章人形師に『一番山笠を手掛ける』という事についてインタビューしてきました。

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白水人形師が初めて博多祇園山笠に関わったのは2007年天神一丁目の飾り山。

そして、その2年後となる2009年に初めての舁き山制作となる東流の舁き山を担当する事になります。実は、この2009年の東流は一番山笠を務めた年なのです。

初めての舁き山の制作が『一番山笠』であった白水人形師。まずはその時の思い出から聞いてみました。

山笠が終わった後ほど「一番山って凄いんだ」と感じる

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資料を持ってきたんですけど、白水先生が初めて手掛けた舁き山は7年前の2009年の東流ですよね。しかもこの年の東流は一番山です。東流から依頼が来た時の率直な感想はどうでしたか?

正直、びびった!(笑)
前の年の2008年に舁き山をお願いしたいという話が突然やってきたんですよ。
でも、今までの物事を変えるっていうのは大変じゃないですか。
2009年は確か僕が47歳の頃、山笠人形師としてはまだ若い方だし、誰?という感じですし。
・・・まあ、いろいろあって大変でした(苦笑)

その時、「一番山」っていうのは何か意識とかしましたか?

一番山は特別なものとは知っていたけど、その時は天神一丁目の飾り山も担当させてもらってたから、山笠とは初めての関わりではないってことで、その時はあまり気にしなかったね。
ただ、山笠が終わった後になって一番山というものの「大きさ」に気付きました。
ニュースでも取り上げられるし、ポスターにも使われるし。終わった後ほど、一番山って凄いんだと感じましたね。

初めての舁き山作りはどうでしたか?

とにかくね、まず舁き山の作り方が全然分からないんですよ。
舁き山はこうやって作るというマニュアルがあるわけじゃないから。
舁き山制作について今まで何も関わってないし、どのような流れで作るかも分からない。舁き山って飾り山と違って、水、雨、振動があるじゃないですか。これらは飾りが崩れる原因なんですよ。でも、どうやったら飾りが崩れないかも分からないんです。
まずは(中村)信喬先生や(山大工の)名越さんに、いろいろ聞きました。
どうやって防水するんですかとか聞くと「ボンドを溶いてニスを塗ってるよ」と聞いて、そうか!と。とにかくいろんな事をしましたね。
全てが初めてのことばかりでした。

そのようにして0から舁き山を作りましたが、出来上がったその舁き山を見た東流の人達の反応ってどんな感じでしたか?

初めて作った人形は大きかったなぁ。
出来上がった時、工房に役員さんが見に来るんです。
その時は誰も何も言ってくれなくてね。すごく不安になった事を覚えてます(笑)

飾り付けの日に工房から運び出す際、演出で人形の顔に紙を巻いたんですよ。
そして飾り付けの現場に来ると、たくさんの東流の人が来てるんです。道が混雑するから各町から数名しか来ちゃいけないはずなのに(笑)
それだけ、新しい人形はどんなやつだ?と期待してくれてたのと、新しい人形師は大丈夫か?と不安だったんだろうね、みんな。

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そんな思いをしているたくさんの人がいる中で、人形の顔に巻いていた紙をぱぁっと取ったの。
そしたら、すごいどよめき!
後にも先にも、そのどよめきの大きさは初めて聞きました。
・・・まあ、今だにそのどよめきを超えたのを聞いたことがないのは複雑だね、東流の舁き山を担当して6年だけど(笑)

これで一仕事終えてホッとしたと・・・

いやいや、飾り付けが終わっても、とにかく壊れないか心配でね。
朝起きて、雨が降ってたら、急いで山小屋に飛んで行ってました。
7月10日(※山笠が動き出す日)以降も舁き手として舁き山の横をずっと並走しましたよ。壊れないかホント心配でしたから。

そして、その時からずっと今年も東流の舁き山を担当されてますね。

もともと1年で終わると思ってたんだけど、ありがたい事に今でも続けさせてもらえてます。
いいものを作って信頼を得られたってことかな。
人形作りが「上手い」「下手」ってことではないんですよ。
何を求められてるかを理解するのが大事。
これから山笠人形を手掛ける人もそれが大事だと思います。

一番山を担当できるのは人生に数度。
7年に一度のその時が来たという事の大事さを感じます。

今年、2回目の「一番山」がやってきました。2回目の一番山っていかがですか?

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このままずっと担当させてもらったとしても、一番山を担当するのは人生に3~4回ぐらいしかチャンスがない。
人によっては一度も無かったりする可能性もある訳じゃないですか。
そのチャンスが来たってことは、7年に1度の大事さを感じますね

2009年と比べて、気持ちが変わった事とか何かありますか?

一番山ってのは7年に1回しかこないんだから、全員楽しまないと損だよね。
山に参加する人の存在価値はそれぞれだから、自分は何をしないといけないかが大事と思うんです。

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今年の春、東流の若手だけを集めて工房の庭で花見したんですよ。
花見という決起集会ですね、結束を高めたんです。
その時、人形の骨組み表面に貼り付ける紙を渡して、みんなの今年の山笠に対しての目標とか想いとか書いてもらったんです。
その紙を人形の骨組みに貼ってね、人形作りすることにしました。
そうやって出来た人形に神様がはいりますよね。神様が入るとよりみんなの気持ちは山笠に近くなり、山笠に関わる実感がしますよね。

先生はどうですか?

追い山の日とに、冷泉公園の横にずらっと舁き山が7つ並ぶじゃない?
ずらっと並んだ中、見渡してもらって1番評価してもらいたい
「よか山ですね」っていう評価はお客さんが決めるわけですし。
だから、悔いは残さない。やることはやる。
そんな気持ちで、今年の舁き山を作ってます。

今年の一番山、どんな気持ちで迎えれそうですか?

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んー・・・また今年の山が終わってから一番山だったということを感じるんだろうなあ(笑)

(※取材日:2016年6月14日)

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