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博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

試し舁き(ためしがき)

棒締め後に、舁き棒と山笠台の締まり具合を確認するため「試し」に「舁く」行事。
舁き山笠は7月10日から激しく動く事になるので、山笠台の堅牢さや柔軟さがとても重要となる。試し舁きを行う事で、しっかり舁き棒が締め上げられているか、締めあげた縄に緩みがないか、締まりすぎてないか・・・などを試し舁きを通して実地確認を行う。

棒締めを行った直後なので、山笠台人形や飾りはまだ乗っておらず、また、参加者も山舁き姿(水法被、締め込み等)ではない。棒締めの時の格好なので長法被姿や、Tシャツ&ステテコ姿だったりする。
しかし、一年ぶりの山舁きが出来るという事で、参加者はこの瞬間を楽しみにしており、棒締めが終わりに近づくと試し舁きに参加する男達が集まり出し、雪駄から地下足袋に履き替える光景がよく見られ、急激にその場の空気がソワソワし始める。

コースは棒締めを行った場所(当番町の地域、もしくは山小屋)の周囲の道路のみ。
参加者も、当番町のみだったり、各町の代表者など、流によって異なる。
舁き縄は、各町の縄ない作業で作った各自の舁き縄を持ち寄る事もあれば、鼻縄を作った縄を適度な長さに切った縄を簡易的な舁き縄に使用したり・・・とこちらも様々である。

台上がりは総務が務め、その他の台上がりは流によって異なるが、流の役員や当番町の総代などが務める。

試し舁きの山笠台には飾りが乗っていないため、山笠台の重さは軽い。しかもまだ山笠期間が始まっていないので舁き手達の体力も十分。しかも飾りはなくとも一年ぶりの山舁きとだけあって参加者の精神状態は少々興奮状態となっているため、舁き出しの山足がとても速いのが特徴。
また、当番町だけで試し舁きを行う流は、人数が少ないので怪我のないよう”よいよい”のスピードで行う所も多い。
終了した後は手一本を入れて終了。走り終えると久々の山舁きに額に汗がにじみ荒い呼吸を肩でする参加者が多いが、一様に皆笑顔で久々の山舁きの感想を語り合うのはどの流れも同じだ。

博多中学校の博中山笠や博多小の子供山笠も、実際に動くので棒締め後に試し舁きが行われている。
博多小の子供山笠は、舁き手は小学6年生が務めることになっている。この試し舁きが生まれて初めて棒に付く事になるため、締まり具合の確認よりも山舁きの練習の意味合いが強い。

試し舁きが無事に終われば、あとは飾り付けを待つばかりとなる。

飾り山笠の”試し舁き”

実際に山舁きが行われる舁き山笠は、その安全性などから試し舁きで締まり具合を確認する必要があるが、据えたままの飾り山笠には不要では試し舁きは行う必要がない。ただ、古来博多の山笠は飾り山笠と同じサイズを実際に舁いていた歴史もあり、その歴史を踏まえて飾り山笠でも試し舁きを行う山笠がある。

「走る飾り山笠」こと八番山笠 上川端通は、その異名の通り、7月12日と15日は櫛田入りを行うため、試し舁きは必ず行われる。試し舁きでは、熊本銀行前から博多ラーメンはかたやまでのアーケードの道を往復する。

博多リバレインは、大黒流の地域であり、元々山笠を舁く地域(下川端通)であるため、その習わしに従い試し舁きを今も行っている。試し舁きは、山小屋が建つ場所から博多川の手前で引き回し、博多座通りのファミリマートまで走ってから再び山小屋場所まで戻ってくる。

博多駅商店連合会も試し舁きを行っており、棒締め終了後に博多駅広場を往復する。

天神一丁目も、短い距離ながら山小屋から国体通り手前まで”よいよい”のスピードで行っている。

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