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キャナルシティの小屋入り、櫛田神社の棒締め、博多小の子供山笠の棒締め・試し舁きが行われました

6月も半分が過ぎ、いよいよ山笠の開幕が見えてきました。快晴の博多となった今週末も、各流が山笠開幕に向けて行事を執り行っています。

今年の十七番山笠キャナルシティ博多は、午前8時より棒洗いの神事を行った後、午前9時よりキャナルシティ博多のサンプラザステージにて小屋入りの神事を執り行いました。

現在、キャナルシティでは噴水×音楽×光×映像のアクアパノラマ第6弾「ゴジラ 博多、上陸」を上映中。その舞台となるサンプラザステージにはゴジラの足跡があしらわれており、ゴジラの災厄を山笠が祓うかのようなそこはかとなく面白い光景ではあります。

飾り山が建つサンプラザステージの四隅を櫛田神社の神職が祓い浄め、玉串奉奠を行って無事神事は終了しました。

小屋入り神事が終わると、すぐに棒締めの準備に取り掛かります。
「棒締め」とは山笠の台(山笠台)に舁き棒を取り付ける作業のことで、山笠台には釘は一本も使われておらず、棒も荒縄だけでテコの原理で縛りあげてます。
荒縄を波打たせて縄に歪みがないようにしたり、舁き棒を山笠台に乗せてきれいに揃っているかを確認したりと、山大工と参加者が共に準備を行います。

「棒ー締めた、棒締めた」という棒締めの掛け声と共に、棒締めの道具である「おやし棒」が大人の全身全霊で下ろされます。
棒を縛る際は荒縄を木槌で叩いて空気を抜きながら。これにより山笠台と舁き棒が荒縄によってがっちり縛り上げられていきます。掛け声と木槌の音、そしてギシギシ音を鳴らしながら荒縄で舁き棒が締められていきます。

棒締めが始まったころは、午前10時になりキャナルシティも開店の時間。たくさんの観光客や買い物客が物珍しそうにこの棒締めの様子を見入っていました。

櫛田神社の山小屋では、整備が終わった山笠台に八文字縄が掛けられ、棒締めが行われました。

「棒ー締めたー!」の掛け声と共に舁き棒が山笠台に据え付けられ、神社を訪れた観光客はこの珍しい光景に目を丸くして棒締めの様子を写真に収めていました。

奈良屋の博多小学校では、午後1時より、地域の人から教わりながら舁き縄作りを行い、午後3時前頃から子供山笠で舁く山笠の棒締めを行いました。

博多の文化を学ぶ授業の一環として行われている博多小の子供山笠。子供たちの昭和通りの向こうまで聞こえるぐらいの「棒ー締めたー、棒締めた」の掛け声の合唱の中、学校の先生や地域のやPTAの大人の指導の下、一生懸命木槌を叩き、おやし棒に力を込めて、舁き棒を締めあげます。

このようにして子供たちの手によって舁き棒が締めあがった山笠台、いよいよ「試し舁き」を行います。試し舁きとは、舁き棒が山笠台にしっかり締められているか、飾りのない状態で山笠を走らせる大事な行事です。先生の手によってたっぷりと水が掛けられて締められます。

試し舁きの3分前。舁き手の6年生は円陣を作り、気合を入れます。

棒に付いた子供たち。刻一刻とスタートする時間が近づくにつれて、子供たちの顔に気合と緊張がみなぎっていきます。

試し舁き5秒前のアナウンスと共に「気合を入れていくぞ!」という掛け声が。3,2,1とカウンダウンを行った後、威勢のいい「ヤー!」の鬨の声とともに今年初めての山舁きが始まりました。

女生徒や大人からの勢水をたくさん浴びながら、「オイサ!」の掛け声と共に山笠台は校庭を一周。舁き手の生徒も、山笠の横に一緒に就いてる先生も、ずぶぬれになりながら気合の入った山舁きを披露。たくさんの声援と笑顔が校庭にあふれます。

無事試し舁きを終えた生徒は、手一本を入れて棒締めと試し舁きの行事が無事終了しました。
そして今年の博多小子供山笠の標題が「柔靭双剣成博心(じゅうじんそうけんをもってはくしんをなす)」となり宮本武蔵をテーマすることが発表されました。