博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

八つ文字(縄)(やつもじ(なわ))

山台(山笠台)はクギを使わず縄だけで作られており、台脚の丈夫と対角側の脚の下部との間には麻縄が幾重にも巻かれている。対角線状に張られた形からこの縄の部分を『八つ文字(縄)』と呼ばれる。
山笠は大変重くしかも勢いをつけて走るので、台座にかかる衝撃はすさまじい物になるのだが、この八つ文字が衝撃を吸収して山台の脚が折れるのを防いでいる。さらに山笠台全体の「ねじれ」をこの部分で受け止めて逃がす「緩衝材」の役割も担っている。
この工夫は昔の人たちのすばらしい智恵であり、この脈々と受け継がれてきた伝統の技術こそ博多山祇園山笠が国の無形民俗文化財に指定された理由の一つでもある。