博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

締め込み(しめこみ)

博多山笠に参加する舁き手が着用する装束。
一般的には「まわし」や「ふんどし」などと呼ばれるが、博多祇園山笠においては「締め込み」の呼び名で統一されている。 山笠の男達は、締め込みを締めると気持ちも引き締まるという。

丈夫な綿布製で、長さは約3m程度、色は白か紺色が基本(流によって統一している傾向がある)。 素材や締め方は相撲の「まわし」と似ているが、前部に「前垂れ」を残すなど独特の部分もある。

「締め込み」と「ふんどし」の違い

博多っ子は締め込み姿を「ふんどし」と言われるとムッとする人が多い。
「ふんどし」と「締め込み」は外見上はあまり代わりがないように見えるが、「ふんどし」は下着であるが、『締め込み』は儀礼装束であるという大きな違いがある。
同じように相撲の力士のまわしも『締め込み』と呼ばれるが、相撲は地鎮の神事であるため『締め込み』と呼ばれいる。山笠を見物する際は、間違っても『ふんどし』と呼んではいけない。

ハワイ遠征の逸話

昭和55年(1980年)博多祇園山笠は、ハワイ最大の祭り「アロハ・ウィーク・フェスティバル」に参加。全米に放映される予定のこのフェスティバルだが、山笠の締め込みが「セクシーすぎる」との声が上がり問題に。様々な案が出されるもお互い納得をせず、ハワイにて実行委員長同士で解決の場が持たれた。そのミーティングの際、誰かが言った「ハワイのカメハメハ大王もふんどし姿ではないか」という意見が出た事で話は急展開。「あなたがアロハウィークという祭りを愛し守ろうとする気持ちは十分分かる。しかし、あなたのその気持ちと、われわれが『山笠』の伝統を守ろうとする気持ちは全く同じ物なんです」という山笠側の熱い言葉により、すべて山笠側の望み通りになった。