博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

標題(ひょうだい)

舁き山、飾り山のタイトルの事。
舁き山、飾り山笠の標題は、標題は古文に詳しいお寺の住職などに考えてもらうケースが多く、この標題を決めてから、内容に取りかかるケースがほとんど。
なお、流全ての標題を書いた物を「番付」という。

標題の決まり事

標題は、文字数を3、5、7・・・と奇数で表現するのが慣わしとなっている。

 #「長政博多入」(5文字)
 #「武士向月祈命運」(7文字)

表題の最後に「勲(~之武勲)」「誉」の文字が多いのは、これらの文字を足すことで文字数を合せやすいため。

 #「季長元寇之武勲
 #「天下布武

ここ近年、標題を付ける人の頭を悩ませるのが、飾り山の見送りに登場するようになったテレビアニメなどのタイトル。偶数の場合は「ー」を消したり「!」を加えたりして調整するなど、苦労しているとか。

 #「ワンピース」(5文字)
 #「アニメ美食屋トリコ」(6文字+3文字)
  (「美食屋トリコ」だと偶数のため、「アニメ」を足して奇数に)

最古の標題

明治18年(1885年)に書かれた「松囃子・山笠記録」(山崎籐三郎著)によると、現存する最古の標題は、寛文旧年(1669年)の標題である。標題は以下の通り(地名は当時の地名)。

  • 一番山「衣笠合戦」(金屋町)
  • 二番山「義経鈴のお﨑にて貝取」(御供所町)
  • 三番山「白川合戦」(市小路下ノ番)
  • 四番山「大職冠」(釜屋町)
  • 五番山「摩屋合戦」(洲崎町)
  • 六番山「上瑠璃」(中小路町)
なお、江戸時代には専門の絵師が下絵を2つ描き、藩と年行司に届けなければならなかったという。