博多祇園山笠用語辞典 YAMAKASA DICTIONARY

台上がり(だいあがり)

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山笠の前後にある「台」の上に座り、追い山や集団山見せなどでは赤色の「鉄砲」と呼ばれる筒状の指揮棒を持ち、舁き手を叱咤激励して舁き山の全体指揮を取る。

赤白のねじりのたすきをかけ、山笠の「表」と「見送り」にそれぞれ3人ずつの最大6名が座る。中でも、表側中央に座る舁き手は実質的なリーダーとなるため、選ばれるのは最大の栄誉とされている。

台上がりはコース途中で入れ替わっていく。もちろん山は走りながら、である。

集団山見せの日の台上がりは福岡の知名士が台上がりすることになっており、毎年7月2日に発表される。
追い山ならしや追い山などの舁き出しの台上がりは、各流とも7月10日の流舁き前までに決まっている事が多い。
また、7月10日の流舁きの日などは、各町の地域に入るとその町の舁き手が台上がりすることが多い。

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台上がりは、棒に付いている舁き手の動きや場所を確認し、空いている棒があったら何番棒かを指で知らせつつ、鉄砲(行事によっては舁き縄)で棒を叩いて近くで走っている舁き手に知らせて、棒に付くよう促す役目を担っている。

表と見送りの動きの違い

同じ台上がりでも、表と見送りに座っている舁き手の動作は異なっている。
表の台上がりは、舁き山を前に進ませるように下から上へ鉄砲を振り上げる動作であるが、見送りの台上がりは後押しの力を山笠に込めるように両手で掻き込むような動作を行う。
つまり山笠は、見送りから後押しの力を取り込み、表で前進する推力を作る、という山笠が動く仕組みを台上がりが動作で示されているわけである。

正座

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土居流、大黒流、西流は7月11日の朝山が終わるまで、台上がりは舁き棒の上に正座をして台上がりをするのが習わしである。
朝山が終わったら杉壁をずらして座るところを作り、他流舁きより座っての台上がりを行う。